原則 1〜3 / 9
🌸 傷つけずに伝える3つ
How to correct without wounding
👑 アテナ様の洞察 👑
「最終章ですわ。ここはしつけの章。
PART 1の原則1は「叱らない」でした。では本当に直してほしいことがあるときは、どうするのか。
その答えが、この9原則ですのよ。🌸」
◆ PRINCIPLE 1 ◆
まず、ほめる
耳が閉じている子には、何も入らない
いきなり注意されると、子どもは身構えます。身構えた子には、内容が入りません。
——だから先にほめて、耳を開ける。順番だけの話ですわ。
ただし、PART 1 原則2の条件つきです。
ほめる部分は本当のことでなければなりません。
嘘でほめると、子どもは即座に察知します。そして「ほめられた=これから怒られる」という信号になり、
以後あなたのほめ言葉は一切機能しなくなりますのよ。
幸い、どんな子にもほめる材料は必ずあります。
起きてきた。返事をした。靴を並べた。妹に貸してあげた。探せば出てきます。
そして探す作業そのものが、PART 2 原則1(関心を寄せる)の実践になっていますわ。
◆ PRINCIPLE 2 ◆
遠まわしに、
注意を与える
「でも」を「そして」に変えるだけで、全部変わる
原則1でほめました。さあ本題です。ここで多くの親が「でも」と言ってしまいます。
その瞬間、前半のほめ言葉は全部なかったことになります。
子どもは「さっきのは前置きだったんだ」と理解する。以後、ほめ言葉は信用されなくなりますわ。
🔄 「でも」を「そして」に
同じ内容を、接続詞ひとつで変えてみます。順に開いてみてくださいませ。
🏠 場面:字は丁寧に書けるが、宿題に時間がかかりすぎる
でも
「字、きれいに書けてるね。でも時間かかりすぎ。もっと早くやりなさい」
そして
「字、すごくきれいだね。この丁寧さのままスピードが出たら、めちゃくちゃ強いと思う」
💡 なぜ効くか:「でも」はほめを打ち消し、「そして」はほめを土台にして次へ伸ばします。
言っている中身(もっと早く)は同じ。なのに前者は否定、後者は期待になる。接続詞ひとつです。
🏠 場面:友達には優しいが、きょうだいには当たりが強い
でも
「お友達には優しいのにね。なんで妹にはそんな言い方するの」
そして
「あなた、お友達にすごく優しいよね。お母さんそれ尊敬してる。あの優しさが妹にも向いたら、あの子きっと一番のファンになるよ」
💡 なぜ効くか:「なんで」は詰問で、答えは言い訳しか出ません。
後者はすでに持っている力を指して、それを別の場所へ広げる話にしている。できていないことの指摘ではなく、できていることの拡張ですわ。
今週やることが1つだけあるとしたら、これですわ。
ほめた直後の「でも」「なんで」を封印する。
そして「そして」「それが〜にも向いたら」に置き換える。
——9原則の中で、最も即効性があります。
◆ PRINCIPLE 3 ◆
まず自分の失敗を
話してから、注意する
完璧な親から言われると、子どもは聞けない
できて当たり前の人から注意されると、子どもは縮こまります。
でも「お母さんも同じ失敗をした」と先に言われると、同じ内容がまったく別の意味を持ちますわ。
👆
上から
「ちゃんと確認しなさい」
=あなたはできていない
萎縮する
🤝
横から
「お母さんも忘れてね」
=誰でもやること
相談できるようになる
家庭での効果は、想像以上に大きいですわ。
親が失敗談を話す家では、子どもが失敗を報告できます。
親が完璧を演じる家では、子どもは失敗を隠します。
——PART 1で見た「言ってこなくなる子」の、これが最も効く解毒剤ですのよ。
原則 4〜6 / 9
🙋 子どもを立てる3つ
Let them keep their dignity
◆ PRINCIPLE 4 ◆
命令をせず、
質問をする
「〜しなさい」ではなく「〜はどうする?」
命令されたことは、その通りにやります。でもそれ以上のことはやりません。
しかもなぜそうするのかを考えなくなります。
家庭での言い換え
✕「宿題やりなさい」→ ○「今日の宿題、何時からやる?」
✕「明日の準備しなさい」→ ○「明日、体育あったっけ?」
✕「もう寝なさい」→ ○「明日6時半に起きるなら、何時に寝ればいい?」
質問された子は考えます。考えた子は次から自分でできます。
命令で育てた子は、言われていないことができません。——親がいなくなったとき、これが一番効いてきますのよ。
例外:危険なときは命令でいいのです。
車道への飛び出し、火のそば、高い場所。この場面で「どう思う?」は危険です。
「止まって!」——明確な指示が正解。
原則4は平時のしつけの話。平時と危険時を切り替えられることが、親の技術ですわ。
🎒 しつけシミュレーター:忘れ物を繰り返す
9原則をどう組み合わせるか、実際に選んでみてくださいませ。
🧒
小学3年生・はるとくん
今月に入って3回目の体操服忘れ。今日も学校から連絡がありました。
はるとくんは友達思いで、学校では「やさしい子」と言われています。
今、リビングには下のきょうだい2人もいます。
さて、どう伝えますか?
◆ PRINCIPLE 5 ◆
顔を立てる
人前で恥をかかせない。それだけで十分
人前での叱責は、内容がどれだけ正しくても関係ありません。
子どもが受け取るのは注意ではなく、「みんなの前で恥をかかされた」という記憶だけですわ。
家庭での鉄則
▸ きょうだいの前で叱らない — 下の子の前で叱られた上の子は、威厳を失って余計に当たるようになります
▸ 友達の前では絶対に — 学校での立場そのものを壊します
▸ 親戚の集まりで「この子ったら」と笑い話にしない — 本人にとっては笑い話ではありません
▸ SNSに失敗を載せない — 消えずに残ります
▸ 危険は即座に止め、話は後で二人で — この分離ができる人が、よい親ですわ
逆に、ほめるのは人前で。
注意は二人きりで、称賛はみんなの前で。——これだけ覚えて帰っていただければ十分ですのよ。
◆ PRINCIPLE 6 ◆
わずかなことでも、
惜しみなくほめる
できてから ほめるのでは、遅い
私たちはつい、できるようになってからほめようとします。
でもそれでは、できるようになる前に心が折れます。
ほめる単位を、うんと小さくする
✕「逆上がりができたらほめる」(半年先)
○「今の蹴り上げ、さっきより高かったよ」(今日)
○「自分から練習に行ったね」(今日)
○「悔しがってるの、本気の証拠だね」(今日)
結果は運に左右されますが、行動は今日ほめられます。
📉 うまくいかない時期こそ
受験期、部活で結果が出ない時期、友達関係がうまくいかない時期——成果が何も出ない期間は必ずあります。
この時期に何も言わないと、子どもは「自分には価値がない」と判断してしまいます。
つらい時期を耐える力は、根性ではなく、その期間に受け取った承認の量で決まります。
原則 7〜9 / 9
🌱 子どもを育てる3つ
Grow them
◆ PRINCIPLE 7 ◆
期待をかける
子どもは、扱われたとおりの人間になっていく
カーネギーは、相手に良い評判を与えると、人はそれを守ろうとすると書きました。
——そして、これは悪い方向にも同じ強さで働きます。
🔁 レッテルが現実になっていく5段階
「この子は落ち着きがなくて」——親のこの一言が、どう現実になっていくか。番号を押して進めてくださいませ。
授業参観の帰り道、他のお母さんに「うち、落ち着きがなくて」と言う。謙遜のつもりです。でも本人がすぐ後ろで聞いています。
だから、逆をやるのです。
「この子、気づくのが早いんですよ」
「うちの子、下の子の面倒をよく見てくれて」
——特に、本人が聞いているところで言うのが効きます。
親が他人に話す言葉は、本人に向けて言う言葉より強く届きますのよ。
日本の家庭で気をつけたいこと
謙遜の文化があるので、人前で我が子を下げるのは礼儀として身についています。
でも——子どもは、その謙遜を額面通りに受け取ります。
「いえいえ、うちなんて全然」を、本音だと思っているのですわ。
◆ PRINCIPLE 8 ◆
激励して、
能力に自信を持たせる
「君ならできる」と思わせる
教えるとき、私たちはつい難しさを強調してしまいます。
「そんな甘くないよ」「ちゃんとやらないと無理」——本人のためを思って言っているのに、始める前に諦めさせています。
⛰️
難しさを強調
「まだ無理でしょ」
「向いてないんじゃない」
手をつける前に降りる
🪜
易しさを強調
「コツは1個だけ」
「あとは慣れるだけ」
やってみようと思える
言い換えの型
✕「九九は全部覚えないとダメだからね。大変だよ」
○「7の段だけ覚えたら、あとはもう半分終わってるようなもんだよ。もうほとんどできてる」
嘘をつく必要はありません。「本当にできそうな最小の一歩」を切り出して見せるだけですわ。
◆ PRINCIPLE 9 ◆
喜んで協力させる
30原則の到達点
最後の原則は、30個すべての到達点ですわ。
同じことをやってもらうにも、「やらされた」と「やりたい」では、続き方がまるで違う。
「やりたい」に変える4つの材料
① 意味を伝える —「これやってくれると、みんなが助かるんだ」
② その子の得を示す —「これ覚えると、朝すごく楽になるよ」(PART 1 原則3)
③ 選ばせる —「洗濯とお風呂、どっちがいい?」
④ 名指しで頼む —「これはあなたにお願いしたいの」(原則7)
お気づきでしょうか。原則9は新しい技術ではありません。
ここまでの29原則を組み合わせたものです。だから最後に置かれているのですわ。
👑 アテナ様より 👑
「30原則、これで全部ですわ。
最後にひとつだけ。この本の題は『人を動かす』ですけれど、読み終えてみると、動かされているのは自分のほうだと気づきませんか。
叱らないのも、認めるのも、聞くのも、待つのも——全部こちらが変わる話でしたのよ。
それでいいのです。変えられるのは、いつだって自分の側だけ。そして、それで子どもは十分に変わりますわ。
——今日もよくがんばっていますわね。😌」
PART 4 まとめ
🏆 九原則を、明日の家庭に
Take it back home
👑 人を変える九原則 👑
①まずほめる — 耳を開けてから中身を入れる。ただし本当のことだけ。
②遠まわしに注意する — 「でも」「なんで」を封印し「そして」に。9原則で最も即効性がある。
③まず自分の失敗を話す — 親が失敗を話す家では、子どもも失敗を報告できる。
④命令せず、質問する — 考えた子だけが、言われていないことをできる。ただし危険時は明確な指示を。
⑤顔を立てる — 注意は二人きりで、称賛はみんなの前で。きょうだいの前で叱らない。
⑥わずかなことでもほめる — 完成を待たない。うまくいかない時期こそ。
⑦期待をかける — レッテルは現実になる。謙遜は本人に本音として届く。
⑧激励して自信を持たせる — 難しさを強調しない。最小の一歩を切り出す。
⑨喜んで協力させる — 意味・その子の得・選択・名指し。29原則の組み合わせ。
30原則を1行にすると、こうなります。
——物事を、子どもの側から見る。
PART 1で土台をつくり、PART 2で好かれ、PART 3で納得してもらい、PART 4で変わってもらう。
4つの章は階段でしたが、どの段にも同じことが書いてありましたのよ。
✅ 今週、家で試す
最終章です。ひとつ試すごとに、30原則トップの進捗が満ちていきますわ。
🏆 30原則トップで、進捗を確認する
4つのPARTすべて、お疲れさまでした