身体拘束廃止・防止の実践事例
第4章 — 施設介護・在宅介護における4つの実践事例から学ぶ
第4章 — 施設介護・在宅介護における4つの実践事例から学ぶ
代替方法の検討を十分に行った実践事例(特別養護老人ホーム)
緊急やむを得ない場合の適正な手続きを行った事例(特別養護老人ホーム)
地域連携により取り組んだ事例(認知症対応型グループホーム)
要因除去により身体拘束を解除できた事例(特別養護老人ホーム)
在宅で家族を支援し、廃止・防止した事例(訪問看護ステーション)
チームで身体拘束を要しない在宅生活を検討した事例(居宅介護支援)
パーキンソン症状による小刻み歩行。レビー小体型認知症による幻視。転倒リスクが高い状態。
ジョイントマット敷設、動線を考慮したソファ設置、ユニット会議での対応統一、内部研修
ソファで落ち着いて過ごせる時間が増加。転倒・骨折が発生したが家族との信頼関係により問題とならず。
💡 転倒したかどうかではなく、アセスメントに基づいた転倒防止対策と、家族の理解を得る継続したコミュニケーションのプロセスが大事。
アルツハイマー型認知症。自立歩行可能。隣席の入所者が感染症の濃厚接触者に該当し、本人も間接的に該当。
感染拡大の懸念、生命にかかわるリスク
生活スペースを分ける以外の代替案なし
夜間帯に限定、対応可能な時間帯は制限なし
💡 三つの要件を組織として慎重に検討し準備したうえで、現場の柔軟な対応により結果的に行動制限を回避できた好事例。
杖歩行可能。2年前に夫が他界。「夫の食事を作るために帰りたい」という訴えが継続。
本人の認識を否定せず、行動を止めない方針を決定。毎日職員と一緒に1.5km離れた自宅を見に行く。見守りネットワーク登録。
毎日の自宅への往復を3年半継続。思い詰めた表情から穏やかな表情へ変化。落ち着いてホームで過ごせるように。
💡 行動を制限するのではなく、本人の想いに3年半寄り添い続けたことで信頼関係が構築された。他事業所との合同委員会で身体拘束廃止の議論を深化。
経鼻経管栄養チューブ+膀胱留置カテーテル。入院中は頻繁に自己抜去するため両上肢を抑制帯で固定。
✔ チューブが視界に入り気になっていた
✔ チューブ接触部のかゆみで顔をかく際に抜去
✔ 週3回入浴+毎日の清拭・保湿でかゆみの原因を除去
✔ 好きな音楽を流す、散歩でお花を見る等の気分転換
経管栄養時以外は日中拘束なし
終日身体拘束を解除
💡 チューブを抜く行為の背景にある「不快」の原因を丁寧にアセスメントし、一つずつ除去していくことで、入院中は両上肢固定だった方の拘束を2カ月で完全解除。
環境整備とケアの統一、家族との継続的なコミュニケーションが鍵
三つの要件の慎重な検討と現場の柔軟な対応で行動制限を回避
本人の想いに寄り添い続ける姿勢と地域との連携が信頼関係を構築
不快の原因を丁寧にアセスメントし除去することで拘束を完全解除
すべての事例に共通するのは、「本人中心」の視点と組織的な取組です。認知症の方の行動には必ず理由があり、その理由を探ることが身体拘束廃止の第一歩となります。
女神アテナ