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介護福祉士の誕生と求められる姿

国試のまど② 第1章 Lesson 1 — なぜ専門職が必要とされたのか

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🏛️
女神アテナ
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かつての介護 — 資格なき時代

🏛️ 1963年「老人福祉法」の成立

常時介護を要する高齢者の収容施設として特別養護老人ホームが創設されました。当初は救貧対策としての色彩が強い選別的な制度でした。

施設では寮母(現:介護職員)が、在宅では老人家庭奉仕員が介護を担いましたが、いずれも低所得者が優先される仕組みでした。

⚠️ 問題点

特に資格を必要としなかったため、介護は「誰でもできる仕事」として扱われました。

その結果:

・介護職の労働条件が劣悪
・介護方法の改善や工夫がほとんど行われないまま放置

高齢化社会の到来

📊

1970年

老年人口比率7%
「高齢化社会」に突入

📈

1985年

老年人口比率10.3%
さらに急速な高齢化へ

👨‍👩‍👧

核家族化

女性の社会進出により
家族介護が困難

🏥 高度医療の発展

医療の発展で死亡率は減少しましたが、一方で要介護状態の重度化・長期化という新たな課題が目立つようになりました。

📌 高齢化の3段階

高齢化社会(7%超)→ 高齢社会(14%超)→ 超高齢社会(21%超)

専門職「介護福祉士」の誕生

🌍 1986年 ICSW会議(東京)

国際社会福祉会議で、日本の社会福祉は発展してきたものの、福祉人材に国家資格が存在しないと指摘されました。

✨ 1987年「社会福祉士及び介護福祉士法」制定

福祉の世界に新しく国家資格をもった専門職が誕生しました。これにより、介護の専門性の確立と専門職としての位置付けが求められるようになりました。

求められた転換:

単なる「介助」(できないことを補う・看護師の補助)

「自立支援」「尊厳の保持」「環境整備」を専門的に実践

ケアモデルの転換 — 尊厳を支えるケア

📄 2003年 厚労省報告書

2015年の高齢者介護 〜高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて〜

戦後ベビーブーム世代(団塊の世代)が65歳以上になる2015年までに実現すべき課題がまとめられました。メインテーマは「高齢者の尊厳」です。

尊厳を支える — 4つの柱

① 介護予防・リハビリ

医療と介護の一体的提供

② 生活の継続性

小規模・多機能サービス

③ 認知症ケア

新しいケアモデルの確立

④ サービスの質

根拠に基づくケア(EBP)

介護予防と生活の継続性

① 介護予防・リハビリテーションの充実

高齢者自身が健康づくりや介護予防に取り組み、自分の能力を活かして地域社会に積極的に参加することが、より自分らしく生きがいのある人生につながります。

医療のリハビリテーションと介護のリハビリテーションを一体的に提供することが提言されました。

② 生活の継続性を維持する新しいサービス体系

在宅生活は尊厳のある生活の基本。しかし実際には施設入所を決断せざるを得ない現状がありました。

解決策として365日・24時間の安心を提供する小規模・多機能サービス拠点(日中の通い、一時宿泊、緊急時・夜間の訪問)の必要性が示されました。

施設ではユニットケア(個別ケア)の普及が重要とされています。

認知症ケアとサービスの質

③ 認知症高齢者に対する新しいケアモデル

要介護高齢者の約半数、施設入所者では約8割に認知症の症状が認められます。

今後の高齢者介護では、身体ケアだけでなく認知症ケアを「標準」とすることが必要。基本は尊厳の保持であり、十分な知識の修得と専門性の向上が求められます。

④ サービスの質の確保と向上

介護保険法の施行で措置から契約に変わり、利用者自身がサービスを自ら選択・決定するようになりました。

現場の経験だけに頼るのではなく、根拠に基づくケア(EBP)ケアの標準化を確立することが求められています。

今、求められる介護福祉士像(11項目)

2006年に12項目 → 社会変容を受けて現在は11項目に見直し(平成29年)

尊厳と自立を支えるケアを実践する

専門職として自律的に介護過程の展開ができる

身体的だけでなく、心理的・社会的支援も展開できる

介護ニーズの複雑化・多様化に対応し、エンパワメントを重視

QOL維持・向上、介護予防からリハビリ・看取りまで対応

地域の中で本人が望む生活を支える

多職種協働によるチームケアを実践する

コミュニケーションや的確な記録・記述ができる

制度を理解しつつ地域・社会のニーズに対応

介護職の中で中核的な役割を担う

高い倫理性の保持

資格取得の4つのルート

🎓

養成施設ルート

高校等 → 養成施設(2年以上)
→ 筆記試験 → 登録

💼

実務経験ルート

実務3年以上 + 実務者研修
→ 筆記試験 → 登録

🏫

福祉系高校ルート

福祉系高等学校
→ 筆記試験 → 登録

🌏

EPAルート

EPA候補者 → 実務3年
+ 実務者研修 → 筆記試験 → 登録

📌 試験範囲: 筆記(人間と社会 / 介護 / こころとからだ / 医療的ケア)+ 実技

登録者数: 約187万人(2022年10月末時点)

実務者研修のカリキュラム(450時間)

📝 位置付け

実務経験ルートで国家試験を受験する人に義務付け。幅広い利用者に対する基本的な介護提供能力の修得と、制度改正や新たな課題に自ら対応できる能力の獲得が目標です。

人間と社会

人間の尊厳と自立(5h)
社会の理解Ⅰ(5h)・Ⅱ(30h)

介護

介護の基本Ⅰ(10h)・Ⅱ(20h)
コミュニケーション(20h)
生活支援技術Ⅰ(20h)・Ⅱ(30h)
介護過程Ⅰ(20h)・Ⅱ(25h)

こころとからだ

発達と老化Ⅰ(10h)・Ⅱ(20h)
認知症Ⅰ(10h)・Ⅱ(20h)
障害Ⅰ(10h)・Ⅱ(20h)
こころとからだⅠ(20h)・Ⅱ(60h)

医療的ケア

医療的ケア(50h)
+別途演習が必要
(喀痰吸引、経管栄養など)

※介護過程Ⅲ(45時間の演習)も別途実施。養成課程1850時間のうち、実務経験のみでは修得できない知識・技術を中心に構成。

キャリアパス — 3段階の成長

2011年 厚労省「今後の介護人材養成の在り方について」で方向性が示されました。
「初任者研修修了者 → 介護福祉士 → 認定介護福祉士」が基本のキャリアパスです。

Step 1

初任者研修修了者

基本的な知識・技術を修得
上司の指示を受けながら
介護業務を実践

Step 2

介護福祉士

幅広い知識・技術を修得
利用者の状態に応じた
的確な介護を実践

Step 3

認定介護福祉士

質の高い介護を実践
技術指導のキーパーソン
チームケアの質を改善

介護福祉士の教育制度

📊 キャリア段位制度(2012年〜)

内閣府が推進する「実践キャリア・アップ戦略」の一環として開始。

「わかる(知識)」「できる(実践的スキル)」の両面を評価してレベル認定を行います。

2015年度からは厚労省に移管され「介護職員資質向上促進事業」として実施。「実際に現場で何ができるのか」という実践的スキルを重点的に評価します。

🎯 認定介護福祉士制度のねらい

多様な利用者の生活を支える専門職としての資質を高め、社会的要請に応えること:

・利用者のQOLの向上
・介護と医療の連携強化と適切な役割分担
地域包括ケアの推進

プラスワン知識

👶 ベビーブーム世代

団塊の世代 = 1947〜1949年生まれ。第2次世界大戦直後の出生数が突出して大きい人口グループ。

団塊ジュニア世代 = 1971〜1974年生まれ(第2次ベビーブーム世代)。団塊世代の子ども。

📖 キャリアパスとは

ある職務に就くためや資格を得るために必要な経験や道筋のこと。

どのような能力や技術を身につけるとどのような職位につけるのかが明確になることで、個々の意欲が向上し、レベルアップが期待できます。

📌 介護福祉士は「名称独占資格」です。介護行為自体は資格なしでも可能ですが、「介護福祉士」と名乗れるのは国家資格保持者のみです。

まとめ

専門職としての介護福祉士の歩み

1963年の老人福祉法から1987年の専門職誕生まで。
「誰でもできる仕事」から「尊厳を支える専門職」へ。

その歩みは、高齢化社会という課題と、
一人ひとりの尊厳を守りたいという願いが生んだものです。

歴史

1987年に国家資格として誕生

役割

自立支援・尊厳保持・多職種連携

成長

初任者→介護福祉士→認定介護福祉士

女神アテナ

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