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高齢者虐待

介護の現場で働くあなたに理解してほしい高齢者虐待防止の知識

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女神アテナ
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介護従事者による高齢者虐待の発生要因

📊 発生要因(厚生労働省)

高齢者虐待防止法は、養護者(家族等)だけでなく福祉・介護サービス業務の従事者による虐待の防止についても規定しています。

  • 66.3% — 教育・知識・介護技術等に関する問題
  • 26.4% — 職員のストレスや感情コントロールの問題
  • 13.0% — 虐待を防止する組織風土や職員間の関係性の薄さ
  • 11.9% — 人員不足や人員配置の問題及び関連する多忙さ
  • 各10.4% — 職員の性格や資質 / 倫理観や理念の欠如

! 認知症の理解不足

発生要因の多くは「認知症」の理解不足BPSDが介護者の負担やストレスの原因となり、虐待に発展してしまうことがある。認知症を正しく理解し、対応方法を学ぶことは必須

高齢者虐待防止法が定める5つの虐待

高齢者虐待防止法(平成18年4月施行)の目的は「高齢者の尊厳の保持」「虐待の防止」「必要な措置を定める」こと。以下の5種類の行為を虐待と定義しています。

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身体的虐待

身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること(殴る・つねる・無理やり食べさせる等)

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介護放棄(ネグレクト)

衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置、養護すべき職務上の義務を著しく怠ること

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心理的虐待

著しい暴言・拒否的な対応・心理的外傷を与える言動(怒鳴る・罵る・子ども扱い等)

⚠️

性的虐待

わいせつな行為をすること又はさせること(性的な話の強要、排泄時の陰部露出の放置等)

経済的虐待と被害の実態

💰 経済的虐待

高齢者の財産を不当に処分すること、その他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。

  • 本人の合意なしに財産や金銭を使用する
  • 本人の希望する金銭の使用を理由なく制限する

85%

虐待を受ける高齢者のうち認知症の割合

多い順

身体的虐待 → 心理的虐待 → 介護放棄

被害傾向

身体が小さい女性、訴えが困難な方が被害に遭いやすい

身体拘束の対象となる具体的な行為

指定基準等で原則禁止(11項目)

出典:「身体拘束ゼロへの手引き」(厚生労働省)

  • ① 車いすやベッドに体幹・四肢をひも等で縛る
  • ② 転落防止のためベッドに縛る
  • ③ ベッドを柵(サイドレール)で囲む
  • ④ チューブを抜かないよう四肢を縛る
  • ⑤ ミトン型の手袋等で手指の機能を制限
  • ⑥ Y字型拘束帯や腰ベルト、車いすテーブル
  • ⑦ 立ち上がりを妨げるいすを使用
  • ⑧ 介護衣(つなぎ服)で脱衣・オムツはずしを制限
  • ⑨ 迷惑行為防止のためベッド等に縛る
  • ⑩ 向精神薬を過剰に服用させる
  • ⑪ 自分の意思で開けられない居室等に隔離する

スピーチロックと「緊急やむを得ない場合」

🗣️ スピーチロック(言葉による拘束)

一方的な強い言葉により制限・拘束することも身体拘束にあたります。

「動かないで!」「立たないで!」「ちょっと待って!」「黙って!」

⚖️ 「緊急やむを得ない場合」の3要件

以下の3つすべてを満たす場合のみ例外的に認められます。

切迫性

本人又は他の利用者等の生命・身体が危険にさらされる可能性が著しく高い

非代替性

身体拘束以外に代替する介護方法がない

一時性

身体拘束が一時的なものである

判断は施設全体で行い、本人・家族に十分説明し、常に再検討して該当しなくなればただちに解除。態様・時間・心身の状況・理由を必ず記録する。

虐待を見つけたらどうするの?

📢 通報の義務(第21条)

介護サービス従事者は虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、早期発見に努めることとされています(第5条第1項)。

自分の働く現場で虐待を発見した場合、生命・身体への重大な危険の有無に関わらず、市町村への通報義務が生じます。

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守秘義務違反にならない

通報は「守秘義務違反」にはなりません(第21条第6項)

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不利益な扱いは禁止

通報による解雇その他の不利益な扱いは禁止(第21条第7項)

🏢 相談・通報の窓口

通報への対応は市町村が行います。地域包括支援センターでも相談・通報を受け付けています。

高齢者虐待が起きたらどうするか

🚨 虐待の初期対応

  • 被害を受けた高齢者の心身の状況を把握し安全を確保
  • 事実確認、上司への報告など組織内で情報を共有
  • 本人・家族への説明や謝罪、関係機関への報告
  • 背景要因を分析し施設・事業者全体で取り組む

📋 日常の取り組み

介護従事者として:

  • 虐待を発見 → 注意喚起、上司への報告、市町村への通報(見て見ぬ振りをしない
  • 勉強会・研修に積極的に出席

施設設置者として(第20条):

  • 従事者への研修の実施
  • 利用者・家族からの苦情処理体制の整備

虐待が起こってしまう4つの原因

🧠 認知症ケアの難しさ

暴言・暴力行為・介護拒否などBPSDへの対処が難しい。余裕がないとカッとなってしまうことも。一人ひとり症状が異なり対応の難易度が高い。

👥 職場の人手不足

慢性的な人手不足、新人の経験・知識不足による既存職員の負担増。疲れやストレスの悪循環が虐待につながる。

📖 教育・研修の不足

満足な教育がないまま独り立ち。利用者への接し方がわからず戸惑い、BPSDへの対応でストレスに。介護技術だけでなく虐待についての研修も必要。

💬 職場内の人間関係

悪条件が揃うと人間関係がギスギスし、ストレスの原因に。同期との支え合いやフォローしてくれる先輩の存在がないとストレス発散が困難に。

虐待を防ぐための3つの視点

🏥 施設側の工夫

  • 職員の育成・教育に力を入れる
  • 認知症ケアへの正しい理解と接し方を周知
  • 職員のストレスケアに目を向ける
  • 利用者・家族とこまめにコミュニケーション

👨‍👩‍👧 家族側の工夫

  • 気になることはこまめに職員とコミュニケーション
  • 施設と連絡を取り訪問して信頼関係を構築
  • 解決しない場合は居室内カメラ等も検討
  • 家族の記録で虐待が表面化するケースも

👤 職員個人の工夫

  • 介護から少し離れる時間を持つ(趣味の時間)
  • 休みの日はしっかり休む、メリハリ
  • 頭の中の切り替えを意識する
  • 認知症の方の反応にイライラせず楽しむ姿勢

まとめ

高齢者の尊厳を守ることは介護の専門職としての使命です

介護職員の処遇改善等の抜本的な改革がなければ虐待事件がゼロになることは難しい。それでも、一人ひとりが出来ることを探して、実践して、虐待を防いでいくことが大事です。

知識

虐待の種類と法律を正しく理解する

発見

見て見ぬ振りをせず通報の義務を果たす

予防

ストレスケアと研修で虐待を未然に防ぐ

女神アテナ

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