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発達と老化の理解Ⅱ・第3章 Lesson 1
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健康チェックの基本と
バイタルサイン

「いつもと違う」に最初に気づくのが介護職

健康チェックの重要性と観察ポイント、そして生命徴候=体温・呼吸・脈拍・血圧・意識状態の見方を、高齢者の特徴とあわせて国試の形に整理。

体温・呼吸・脈・血圧・意識——数字の正常値と、危険なサインの見分け方をまとめます。

アテナ様の導き

高齢者の身体に今、何が起きているのか。それを最初に察知できるのは、いちばん身近にいる介護職です。普段の様子をよく知っているからこそ「いつもと違う」に気づける。その気づきが命を守ります。判断は一人で抱え込まず、ほかの介護職や看護師・医師と連携すること。そのために、バイタルサイン(生命徴候)=体温・呼吸・脈拍・血圧・意識状態という共通のものさしを正しく読めるようになりましょう。数字の意味がわかれば、ただの記録が「異変のサイン」に変わりますわ。

アテナ様の導き(本音モード)

バイタル=体の調子を数字で見る5点セット(体温・呼吸・脈・血圧・意識)。試験で狙われるのは正常値ヤバい呼吸パターン。正常値:脈60〜80(高齢者は徐脈で50台も)、血圧120/80未満が正常。呼吸の異常は名前と病気の組み合わせ——チェーンストークス=脳卒中クスマウル=糖尿病(アセトン臭)起座呼吸=心不全・喘息。ここだけ押さえれば点になります。

1枚でつかむ:バイタルサイン5つと正常値
「生命徴候」=生きている体の情報

🌡 体温

高齢者は低め。午前2〜5時が最低、午後2〜6時が最高(日差1℃以内)。平熱の把握が大切。

🫁 呼吸

胸腹の上下1セットを1分測定。頻呼吸≧24回/徐呼吸≦12回。リズム・深さ・音の異常を見る。

💓 脈拍

成人安静時60〜80回。高齢者は徐脈傾向(50回台も)。立位>座位>臥位で増える。

🩸 血圧

120/80未満=正常血圧。加齢で収縮期が上昇。緊張で上がる白衣高血圧も。

🧠 意識状態

自分や周囲を認識できているか。脱水・薬・低血糖などで意識障害が起こる。

+観察

顔色・表情・皮膚・声の出方も合わせて見る。

1. 健康チェックの基本
「いつもと違う」を見逃さない

高齢者の健康状態の把握は、その日その時の介護方法を決めるうえでとても重要です。介護職は利用者の普段の状態をよく知る立場にあり、「いつもと違う」という気づきから異変を早く発見できます。気づいたときは、急を要する場合を除き身体面・精神面・生活面からアセスメントし、一人で判断せずほかの介護職・相談員・介護支援専門員(ケアマネジャー)とともに対応を考えます。緊急時は早急に医療職や家族に連絡・報告し指示を受けます。日頃から既往歴や疾患の情報を得て、日々の様子を記録することで小さな変化を捉えられます。

機械より先に異変に気づくのは「毎日見てる人」。だから「なんか今日は元気ないな」を侮らない。でも勝手に判断して抱え込まない——看護師・医師・ケアマネに必ずつなぐ。緊急なら即連絡。記録は「あとで効く保険」。地味だけど命綱です。

2. 呼吸の異常(覚えるべきパターン)
名前と背景の病気をセットで
呼吸パターン特徴・背景
頻呼吸1分間に24回以上。発熱時・興奮時・心不全など。
徐呼吸1分間に12回以下。尿毒症、頭蓋内圧亢進など。
チェーンストークス呼吸無呼吸→徐々に増大し過呼吸→徐々に減少→無呼吸を周期的に繰り返す。脳出血・脳梗塞でよくみられる。
クスマウル呼吸呼吸数は少なく異常に深い呼吸が規則正しく続く。尿毒症・糖尿病性昏睡。呼気にアセトン臭(甘い果実臭)
ビオー呼吸大きな呼吸→突然消失→無呼吸→再び大きな呼吸。髄膜炎など脳の障害。
起座呼吸横になると呼吸困難が強まり、座って呼吸する状態。心不全・喘息でみられる。
過換気症候群頻回で深い呼吸が続く。強い不安・恐怖・緊張などのストレスが原因。
3. 体温・脈拍・血圧
高齢者の特徴と正常値

体温

恒常性機能・皮膚の熱伝導度の低下で、一般成人より低め。日内変動あり(午前2〜5時が最低、午後2〜6時が最高、日差1℃以内)。決まった時間・部位で測り、平熱を把握。

脈拍

成人安静時60〜80回/分。加齢で少なくなり高齢者は50回台=徐脈傾向。運動・入浴・食後で増加、睡眠時に減少。臥位<座位<立位で増える。

血圧

120/80未満=正常血圧、収縮期120〜129かつ拡張期80未満=正常高値。加齢で収縮期が上昇。受診時の緊張で上がる白衣高血圧もある。

4. 意識状態と意識障害
程度の分類とJCS

意識とは、自分の言動や周りの状況を認識していることをいいます。高齢者は脱水や薬の副作用として意識障害を起こすことがあり、脳の外傷・てんかん・低血糖/高血糖・肝臓病・肺疾患でも起こります。高血圧症・脳血管疾患・糖尿病のある人は特に注意が必要です。

意識障害の程度(軽い→重い)

  • 意識混濁:理解・判断力が低下しぼんやり
  • 傾眠:ウトウトするが呼びかけで反応
  • 昏迷:中等度の刺激に若干の反応
  • 半昏睡:強い刺激に若干の反応
  • 昏睡:どんな刺激にも反応しない

JCS(ジャパン・コーマ・スケール)

  • 客観的に意識レベルを判断する方法
  • 通称「3-3-9度方式」
  • Ⅰ:刺激なしで覚醒/Ⅱ:刺激で覚醒/Ⅲ:刺激しても覚醒しない の3段階、さらに各3段階
WORD:バイタルサイン / JCS(3-3-9度方式)
国試で問われる用語

バイタルサイン:「生命徴候」と訳され、人が生きている生体情報を示す。一般に体温・呼吸・脈拍・血圧・意識状態を指す。JCS(ジャパン・コーマ・スケール):意識レベルを客観的に判断する方法。「刺激なしで覚醒(Ⅰ)/刺激で覚醒(Ⅱ)/刺激しても覚醒しない(Ⅲ)」の3段階を、さらに3段階に分ける「3-3-9度方式」。

試験に出るところ
本音でまとめる
理解度チェック
押すと答えが出ます

Q1. 高齢者のバイタルサインに関する記述で、適切なものはどれ?

正解はB。高齢者は恒常性機能・熱伝導度の低下で体温が低めになり、脈拍は加齢で少なくなり徐脈傾向となります。正常血圧は120/80mmHg未満です。

Q2. 呼吸の異常とその背景の組み合わせで、適切なものはどれ?

正解はA。チェーンストークス呼吸は脳出血・脳梗塞でよくみられます。起座呼吸は横になると苦しく座って呼吸する状態(心不全・喘息)、頻呼吸は1分間に24回以上です。

Q3. 意識障害・JCSに関する記述で、適切なものはどれ?

正解はB。JCSは3-3-9度方式とよばれます。昏睡はどんな刺激にも反応しない状態で、呼びかけで反応するのは傾眠です。高齢者では脱水や薬の副作用も意識障害の原因になります。
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