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発達と老化の理解Ⅱ・第3章 Lesson 3(3/3)
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介護を要する高齢者に多い病気③
感覚器・感染症・褥瘡

目・耳・感染症・床ずれ——守りの介護

感覚器系(白内障・緑内障・加齢黄斑変性症・老人性難聴・口内炎・歯周病)、感染症(分類・標準予防策・高齢者に多い感染症)、そして褥瘡を国試の形に整理。

目・耳の病気、うつる病気の防ぎ方、床ずれの予防——「守りの介護」をまとめます。

アテナ様の導き

このページは「守りの介護」です。目の病気(白内障・緑内障)、耳の老人性難聴は、コミュニケーションや転倒予防に直結します。そして感染症——高齢者は免疫力が低く重症化しやすいため、標準予防策(スタンダード・プリコーション)を土台に、感染を防ぐ3つの要素(感染源・感染経路・感受性宿主)のどれかを断つことが基本です。さらに、寝たきりがつくる褥瘡(床ずれ)は、体位変換と栄養で防げます。一つひとつの「防ぎ方」を、根拠とともに身につけましょう。

アテナ様の導き(本音モード)

頻出を先に:白内障=水晶体が濁る/緑内障=眼圧で視野が欠ける(この2つの区別は鉄板)。感染対策の基本は標準予防策=「すべての人の血液・体液・分泌物・排泄物は感染源として扱う」。そして褥瘡=骨の出っぱり(仙骨・かかと等)にできる、体位変換で防ぐ。栄養の指標は血清アルブミン。ここを押さえれば点が固いです。

1枚でつかむ:白内障と緑内障の違い
混ざりやすい2つを最初に固める

白内障

  • 目の水晶体が濁る病気
  • かすむ・二重に見える・まぶしい
  • 70歳以上で80%以上に

緑内障

  • 眼圧が上昇し視神経が圧迫
  • 見えない点(暗点)・視野が狭くなる
  • 初期は自覚症状がほとんどない

覚え方:白=濁る(水晶体)/緑=眼圧で欠ける(視野)。加齢黄斑変性症は中心がゆがむ・見えなくなる(変視症・中心暗点)

1. 感覚器系疾患
目・耳・口の病気
疾患特徴
白内障目の水晶体が濁る。かすむ・ものが二重三重・まぶしい・薄暗い方が見やすい。70歳以上で80%以上に。
緑内障眼圧の上昇で視神経が圧迫され、暗点が出たり視野が狭くなる。進行が緩やかで初期は自覚症状がほとんどない。
加齢黄斑変性症網膜中心部の黄斑部が障害され、中心がゆがむ(変視症)・中心が見えない(中心暗点)。滲出型と萎縮型。
老人性難聴内耳の障害による感音性難聴原則、左右の耳が同時に悪くなり、高音域から聞こえにくくなる。聞き取り能力も低下。
口内炎・歯周病口内炎は口腔粘膜の炎症・潰瘍(栄養状態が悪いと起こりやすい)。歯周病は自覚症状が少なく進行。口腔内の清潔保持が大切。
2. 感染症
防ぐ3要素と標準予防策

感染症とは、環境中に存在する病原性の微生物が人の体内に侵入して引き起こす疾患です。免疫力の低下した高齢者が、健康なら通常は感染しない弱い病原体に感染して発症することを日和見感染といいます(緑膿菌・カンジダなど)。感染を防ぐには、感染を起こす3つの要素=感染源・感染経路・感受性宿主のうち1つ以上を断つことが必要です。

感染源

病原体そのもの・排泄物・血液・保菌者など。隔離・消毒

感染経路

接触(経口)・飛沫・空気・血液媒介。経路に応じた予防策

感受性宿主

抵抗力の弱い人(高齢者・乳幼児など)。予防接種

標準予防策(スタンダード・プリコーション)=「すべての患者の血液・(汗を除く)体液・分泌物・排泄物・創傷皮膚・粘膜は感染の危険があるものとして扱う」という考え方。誰が感染しているか分からなくても、全員に同じ防御をするのが土台。手洗い・手袋・マスクの基本がここから来ます。

高齢者に多い感染症特徴・予防
インフルエンザ冬に流行(A型・B型)。高齢者は肺炎を伴い重症化。流行前のワクチン接種で予防・重症化防止(抗体まで約2週間)。
感染性胃腸炎(ノロウイルス)冬に多く、突然の嘔吐・下痢。感染力が非常に強い。吐物・便は次亜塩素酸ナトリウムで処理、十分な加熱(85〜90℃で90秒以上)。
結核空気・飛沫感染。高齢者は若い頃の結核菌が再燃して発病することが多い。2週間以上続く咳は受診。咳エチケット。
疥癬ヒゼンダニの寄生。角化型疥癬は感染力が非常に強く個室対応。通常疥癬は肌の直接接触・寝具で感染。
白癬(水虫)白癬菌が角質層に寄生。9割近くは足。高温多湿を避け清潔・乾燥。爪白癬・体部白癬などの型がある。
3. 褥瘡(床ずれ)
圧迫で皮膚が壊死する

褥瘡とは、長時間同じ姿勢でいることで皮膚や皮下組織が圧迫され血流が滞り、酸素や栄養が届かず細胞が壊死して生じる疾患です。自分で体位変換ができず寝たきりで、栄養状態が悪く皮膚が弱い人に、圧迫+摩擦・ずれが加わると発生しやすい。好発部位は骨の突出部(仙骨部・踵部・肩甲骨部・大転子部など)。重症度はNPUAP/EPUAP分類のステージⅠ〜Ⅳで表されます。

NPUAP分類(ステージ)

  • :消退しない発赤(押しても赤いまま)
  • :表皮〜真皮の部分欠損(水疱など)
  • :全層皮膚欠損(皮下組織まで)
  • :筋肉・骨にまで及ぶ深い欠損

予防の留意点

  • 定期的な体位変換と体圧分散用具(エアマット等)
  • おむつはこまめに交換しスキンケアで清潔・保湿
  • 衣服・寝具のしわをなくす、ずれをつくらない
  • 栄養状態の維持が重要。指標は血清アルブミン値
WORD:標準予防策 / 日和見感染 / 褥瘡
国試で問われる用語

標準予防策(スタンダード・プリコーション):すべての人の血液・汗を除く体液・分泌物・排泄物・創傷皮膚・粘膜を感染の危険があるものとして扱う考え方。日和見感染:免疫力が低下した人が、健康なら通常感染しない弱い病原体に感染して発症すること。褥瘡:圧迫で血流が滞り皮膚・皮下組織が壊死する。骨突出部に好発し、体位変換と栄養(血清アルブミン)で予防する。

試験に出るところ
本音でまとめる
理解度チェック
押すと答えが出ます

Q1. 白内障・緑内障に関する記述で、適切なものはどれ?

正解はB。緑内障は眼圧の上昇で視神経が圧迫され視野が狭くなり、初期は自覚症状がほとんどありません。白内障は水晶体が濁る病気で、かすみ・まぶしさなどが起こります。

Q2. 標準予防策(スタンダード・プリコーション)に関する記述で、適切なものはどれ?

正解はB。標準予防策は、すべての人の血液・(汗を除く)体液・分泌物・排泄物・創傷皮膚・粘膜を感染の危険があるものとして扱う考え方です。診断の有無にかかわらず全員に行います。

Q3. 褥瘡に関する記述で、適切なものはどれ?

正解はB。褥瘡は圧迫を受けやすい骨の突出部(仙骨部・踵部など)に好発し、定期的な体位変換と体圧分散で予防します。栄養状態の維持が重要で、血清アルブミン値が指標になります。
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