認知症ケアの土台=「その人の生活を理解する」。生活を創るもの(ライフステージ・時代背景・価値観)、生活理解の視点(多様性・マズローの欲求5段階)、そして認知機能の低下が生活障害として現れるしくみを国試の形に整理。
いいケアの出発点は「その人の暮らしを知ること」。人それぞれ違う(多様性)、でも欲求は共通(マズロー)。頭の働きが落ちると、今までできてたことができなくなる——それが生活障害です。
認知症の人は自分の思いを上手く伝えられないことがあります。だからこそ、ケアの土台は「その人の生活を理解すること」。人の生活はライフステージ・時代や社会背景・価値観でできていて、十人十色(多様性)。一方で、人にはマズローの欲求5段階という共通の欲求があります。認知症になると中核症状(記憶・見当識・実行機能の障害)に関連して、今までできていたことができなくなる——これが生活障害です。服薬管理・買い物・電化製品の使用から始まり、進行すると排泄・食事・入浴にも及びます。残っている力を活かす支援が大切です。
覚えることは2つだけ。①生活理解=「多様性を認める(人それぞれ)」+「共通の欲求=マズロー5段階」。②生活障害=頭の働き(記憶・段取り・見当識)が落ちて、できてたことができなくなること。最初は薬の管理や買い物でつまずき、進むと排泄・食事・入浴まで。「全部できない」ではなく「できる所は本人に、できない所だけ手伝う」が正解です。
自分らしく成長したい・なりたい自分になりたい。
認められたい・尊重されたい。
仲間がほしい・愛されたい。
安全に・安心して暮らしたい。
食べる・寝るなど、生きる土台。
認知症の人も同じ欲求を持っています。「何もわからない人」ではなく、認められたい・安心したいという欲求を持つ一人の生活者として関わることが理念につながります。
生活とは「人間が生きるためにおこなう諸活動の総体」で、単なる生存ではなく文化的な営みです。人の生活は①ライフステージ(乳児期〜老年期)②時代・社会背景 ③価値観で創られ、家族同士でも一人ひとり異なります。認知症ケアでは本人のニーズや言動の背景を理解するために、生活を知ることが欠かせません。理解の基本的な視点は2つ——多様性を認める(「人の数だけ多様な生活がある」、正解は一つではない)こと、そして共通した基本的欲求(マズローの欲求5段階)を持っていると捉えることです。
その人の「暮らし」は、生きてきた時代・育ち・大事にしてきたこと(価値観)でできています。だからみんな違う=多様性を認めるのが第一。でも「認められたい」「安心したい」みたいな欲求はみんな同じ(マズロー)。この2つの目で、その人の言動の理由を考えるのがケアの入り口です。
生活障害とは、認知機能障害(記憶障害・実行機能障害・見当識障害)に関連して、生活するうえで今までできていたことができなくなる状況です。中核症状やBPSD(行動・心理症状)とともに起こり、本人の生活の質を下げ、家族や介護職の負担も増やします。最初は内服薬の管理・買い物・電化製品の使用などで現れ、進行すると排泄・食事・入浴など多くの生活行為に及びます。
認知機能とは、記憶力・判断力・計算力・遂行力・言語能力などのこと。認知症でこれらが低下すると、体験したことを忘れたり、状況を正しく判断して物事を組み立てることが難しくなり、日常生活にさまざまな問題が起こります。
| 事例 | 生活への影響 |
|---|---|
| 消費者トラブル | 判断力の低下で、通信販売の勧誘に乗って高額な健康食品や布団を繰り返し購入。本人は「買った覚えはない」と繰り返す。 |
| 近所トラブル | ゴミ出しの曜日・時間を間違える。注意されても忘れて同じことを繰り返し、近所から孤立してしまう。 |
| 排泄の失敗を隠す | 失禁を家族に知られたくなくて、汚れた下着をタンスや机に隠す。背景に羞恥心やプライドがある。 |
認知症は、獲得してきた経験・知識・人格・社会性が徐々に失われ、人間関係や社会とのつながりが途切れていきます。だからこそ背景にある気持ち(プライド・羞恥・不安)を理解した支援が必要です。
生活障害:認知機能障害(記憶・実行機能・見当識)に関連して、今までできていた生活行為ができなくなる状況。マズローの欲求5段階説:人に共通する欲求を、生理的→安全安定→所属愛情→承認→自己実現の5段階で示したもの。多様性を認める:価値観や生活は人の数だけあり「これが正解」はない、と捉える生活理解の基本姿勢。
Q1. 生活の理解に関する記述で、適切なものはどれ?
Q2. マズローの欲求5段階説で、最も土台(最初)の欲求はどれ?
Q3. 認知症の生活障害に関する記述で、適切なものはどれ?