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認知症の理解Ⅰ・第3章 Lesson 2
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実際のかかわり方の基本

どう声をかける?
——伝わる話し方と、やってはいけない関わり

認知症の人とのコミュニケーション(話し方・言葉遣い)、キットウッドの「悪性の社会心理」、孤独・安心・リロケーションダメージ、そしてBPSDがある人への関わり方の基本を国試の形に整理。

具体的な"声のかけ方"の話。短く・区切って・なじみの言葉で。やってはいけない関わり(だます・急がせる・子ども扱い)と、「帰りたい」への向き合い方を学びます。

アテナ様の導き

認知症の人は、物事の理解は難しくなっても、その場の雰囲気・口調・表情にはとても敏感で、自尊心はいつまでも失われません。指示的な話し方ほど反発を招き、それが介護拒否として現れます。話し方の基本は①簡潔に伝える ②区切ってゆっくり ③慣れ親しんだ言葉(入浴→お風呂・方言)。ただし幼児言葉はNG(尊厳を傷つける)。キットウッドは尊厳を傷つける関わりを「悪性の社会心理」と呼びました。そしてBPSDがある人には、行動を妨げず・止めず(スピーチロックも×)、本人の世界を理解することが基本です。

アテナ様の導き(本音モード)

声かけのコツは「短く・区切って・なじみの言葉で」。長いと理解できず「とりあえず断ろう」となって介護拒否に。やさしくしようと幼児言葉や友だち口調はダメ(プライドを傷つける)。やってはいけない関わり=だます・できることをさせない・急がせる・子ども扱い・中断する(=悪性の社会心理)。「帰りたい」には止めない・説得しない・本人の世界を分かろうとするのが正解。言葉で止めるのもスピーチロックでNG。

1枚でつかむ:悪性の社会心理(やってはいけない関わり)
キットウッドが示した、尊厳を傷つける関わり

① だます

訴えや行動をやめさせるためにだます・ごまかす(=管理しようとする)。

② できることをさせない

危ない・負担になるからと能力を使わせない(デスエンパワメント)。

③ 急がせる

理解できない速さで情報・選択肢を出す/行為を急がせる。

④ 子ども扱い

保護者的態度で接する・細かく指示する・叱責する。

⑤ 中断する

本人の行為や考えを妨げて不安にさせる。

共通点

どれも相手の尊厳を深く傷つける

1. コミュニケーション(話し方・言葉遣い)
伝わる声かけの3つの工夫

指示的・指導的な言葉遣いは避け、相手が納得できる声かけを。親しくなっても友だちのようなくだけた口調にしない(介護職と利用者の関係を忘れない)。

① 簡潔に伝える

一度に4つも情報を入れると理解できない。必要なことを短く

② 区切ってゆっくり

「今日の/夕食は/焼き魚です」のように区切る。

③ 慣れ親しんだ言葉

入浴→お風呂、食事→ご飯、方言も。幼児言葉はNG(尊厳を傷つける)。

2. かかわり方の基本(3つ)
孤独・安心・環境の変化

① 孤独にさせない

孤独が続くと関心が内に向き、習癖的行為(衣類噛み・異食・物の収集)につながる(室伏君士)。

② 安心感を与える

声かけ・表情に注意。不安時は背中をさするボディタッチも効果的。

③ 急激な環境変化を防ぐ

在宅→施設・入院などのリロケーションダメージに注意。なじみの家具を持ち込む等で軽減。

3. BPSDがある人への関わり方
「家に帰りたい」にどう向き合う

① 行動を妨げない・止めない

  • 無理に止めない。言葉で止めるのもスピーチロックで不適切
  • 行動には必ず理由がある(環境・身体の不調=便秘・かゆみ・痛みなど)

② 本人の世界を理解する

  • 見当識障害で過去に生きていることも。本人なりの世界を否定しない
  • 説得のためでなく、理解のために聴く

「奥さんはいませんよ」と事実を突きつけて説得するのは逆効果。「お帰りになりたいのですね」「奥さんが心配なのですね」と本人の思いを受け止め、「まず電話してみましょうか」と寄り添うと落ち着きます。気分の変動とその背景を把握するために、センター方式の「24時間生活変化シート」で行動を視覚化し、チームでケアを検討する方法もあります。

WORD:悪性の社会心理 / リロケーションダメージ / スピーチロック
国試で問われる用語

悪性の社会心理:キットウッドが示した、本人らしさや尊厳を傷つける関わり(だます・できることをさせない・急がせる・子ども扱い・中断する など)。リロケーションダメージ:在宅→施設・入院など生活環境の変化がストレスとなり心身のバランスを崩すこと(なじみの家具などで軽減)。スピーチロック:「ダメ」「待って」など言葉で行動を抑え込むこと。身体拘束と同様に避けるべき関わり。

試験に出るところ
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Q1. 認知症の人への話し方として、適切なものはどれ?

正解はB。認知症の人は情報処理が難しいため、簡潔に・区切ってゆっくり・慣れ親しんだ言葉(入浴→お風呂等)で伝えます。幼児言葉や友だち口調は尊厳を傷つけNG。指示的な説得は反発・介護拒否を招きます。

Q2. キットウッドの「悪性の社会心理」に当てはまらないものはどれ?

正解はC(これは適切な関わり)。悪性の社会心理は、だます・できることをさせない(デスエンパワメント)・急がせる・子ども扱い・中断するなど、尊厳を傷つける関わりを指します。

Q3. 「家に帰りたい」と訴える認知症の人への対応として、適切なものはどれ?

正解はC。行動を無理に止めず(言葉で止めるのもスピーチロックで不適切)、本人の世界を否定せずに思いを受け止めます。説得のためでなく理解のために聴くことが基本です。
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