認知症の人とのコミュニケーション(話し方・言葉遣い)、キットウッドの「悪性の社会心理」、孤独・安心・リロケーションダメージ、そしてBPSDがある人への関わり方の基本を国試の形に整理。
具体的な"声のかけ方"の話。短く・区切って・なじみの言葉で。やってはいけない関わり(だます・急がせる・子ども扱い)と、「帰りたい」への向き合い方を学びます。
認知症の人は、物事の理解は難しくなっても、その場の雰囲気・口調・表情にはとても敏感で、自尊心はいつまでも失われません。指示的な話し方ほど反発を招き、それが介護拒否として現れます。話し方の基本は①簡潔に伝える ②区切ってゆっくり ③慣れ親しんだ言葉(入浴→お風呂・方言)。ただし幼児言葉はNG(尊厳を傷つける)。キットウッドは尊厳を傷つける関わりを「悪性の社会心理」と呼びました。そしてBPSDがある人には、行動を妨げず・止めず(スピーチロックも×)、本人の世界を理解することが基本です。
声かけのコツは「短く・区切って・なじみの言葉で」。長いと理解できず「とりあえず断ろう」となって介護拒否に。やさしくしようと幼児言葉や友だち口調はダメ(プライドを傷つける)。やってはいけない関わり=だます・できることをさせない・急がせる・子ども扱い・中断する(=悪性の社会心理)。「帰りたい」には止めない・説得しない・本人の世界を分かろうとするのが正解。言葉で止めるのもスピーチロックでNG。
訴えや行動をやめさせるためにだます・ごまかす(=管理しようとする)。
危ない・負担になるからと能力を使わせない(デスエンパワメント)。
理解できない速さで情報・選択肢を出す/行為を急がせる。
保護者的態度で接する・細かく指示する・叱責する。
本人の行為や考えを妨げて不安にさせる。
どれも相手の尊厳を深く傷つける。
指示的・指導的な言葉遣いは避け、相手が納得できる声かけを。親しくなっても友だちのようなくだけた口調にしない(介護職と利用者の関係を忘れない)。
一度に4つも情報を入れると理解できない。必要なことを短く。
「今日の/夕食は/焼き魚です」のように区切る。
入浴→お風呂、食事→ご飯、方言も。幼児言葉はNG(尊厳を傷つける)。
孤独が続くと関心が内に向き、習癖的行為(衣類噛み・異食・物の収集)につながる(室伏君士)。
声かけ・表情に注意。不安時は背中をさするボディタッチも効果的。
在宅→施設・入院などのリロケーションダメージに注意。なじみの家具を持ち込む等で軽減。
「奥さんはいませんよ」と事実を突きつけて説得するのは逆効果。「お帰りになりたいのですね」「奥さんが心配なのですね」と本人の思いを受け止め、「まず電話してみましょうか」と寄り添うと落ち着きます。気分の変動とその背景を把握するために、センター方式の「24時間生活変化シート」で行動を視覚化し、チームでケアを検討する方法もあります。
悪性の社会心理:キットウッドが示した、本人らしさや尊厳を傷つける関わり(だます・できることをさせない・急がせる・子ども扱い・中断する など)。リロケーションダメージ:在宅→施設・入院など生活環境の変化がストレスとなり心身のバランスを崩すこと(なじみの家具などで軽減)。スピーチロック:「ダメ」「待って」など言葉で行動を抑え込むこと。身体拘束と同様に避けるべき関わり。
Q1. 認知症の人への話し方として、適切なものはどれ?
Q2. キットウッドの「悪性の社会心理」に当てはまらないものはどれ?
Q3. 「家に帰りたい」と訴える認知症の人への対応として、適切なものはどれ?