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認知症の理解Ⅱ・第1章 Lesson 1(医学的側面)
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認知症の特徴
——脳・記憶・まぎらわしい症状

認知症ってどういうこと?
——脳と記憶のしくみから見る

脳の機能と構造、記憶の3要素と4種類の長期記憶、加齢のもの忘れと認知症の記憶障害の違い、そして認知症とまぎらわしい症状(せん妄・うつ病)を国試の形に整理。

医学の目で見る認知症。脳のどこが何をしているか、記憶のしくみ、ふつうの物忘れとの違い、そして"認知症みたいに見えるけど違う"症状(せん妄・うつ)を学びます。

アテナ様の導き

記憶は記銘→保持→想起の3ステップで、海馬や大脳皮質が担います。加齢のもの忘れは主に「想起(思い出す)」の低下。長期記憶のうちエピソード記憶(体験)は認知症で早期に失われ手続き記憶(体が覚えた技術)は保たれやすいのがポイントです。加齢のもの忘れは「体験の一部」を忘れヒントで思い出せますが、認知症は「体験まるごと」を忘れ、忘れた自覚もない。そして認知症とまぎらわしいのがせん妄(意識障害・急激・変動・回復する)うつ病。この違いを見分けることが大切です。

アテナ様の導き(本音モード)

記憶は覚える→ためる→思い出す(記銘・保持・想起)。年のせいの物忘れは"思い出す"が弱るだけ。覚えてる種類のうち体験の記憶(エピソード記憶)は認知症で最初にやられるけど、体が覚えた技術(手続き記憶=自転車・水泳)は残りやすい。見分けの肝は「年の物忘れ=一部・ヒントで思い出す・自覚あり」「認知症=まるごと・思い出せない・自覚なし」。そっくりさんのせん妄は"急に・波がある・治る"のが違い。

1枚でつかむ:加齢のもの忘れ vs 認知症
国試頻出の見分けポイント
項目加齢のもの忘れ認知症
原因脳の生理的な老化神経細胞の変性・脱落
忘れ方体験の一部(ヒントで思い出す)体験をまるごと(ヒントでも思い出せない)
進行あまり進行しない徐々に確実に進行
自覚忘れっぽいと自覚あり忘れたことの自覚がない
日常生活支障はない支障をきたす
1. 脳のしくみと認知症
どこが何をしている?

脳の各部位

  • 大脳=脳の約80%。記憶・言語・認知機能
  • 間脳(視床・視床下部)=食欲・睡眠・内分泌・自律神経
  • 脳幹(中脳・橋・延髄)=循環・呼吸=生命維持
  • 小脳=体の動き・バランス
  • 海馬=短い時間の記憶に重要

認知症の定義(2020年改正)

  • アルツハイマー病等の神経変性疾患脳血管疾患等により、日常生活に支障が生じる程度に認知機能が低下した状態
  • 神経変性疾患=神経そのものが変質/脳血管疾患=血流途絶で神経が死滅(区別する)
2. 記憶のしくみ
3要素と4種類の長期記憶

記憶は記銘(覚える)→保持(ためる)→想起(思い出す)の3要素。加齢のもの忘れは主に想起の低下です。記憶は保持時間で感覚記憶/短期記憶(約30秒)/長期記憶に分かれ、長期記憶はさらに4種類に分類されます。

① エピソード記憶

自分が体験した出来事の記憶(いつ・どこで)。認知症で早期に失われる。海馬が関与。

② 意味記憶

一般知識(「みかんは柑橘類」など)。

③ 手続き記憶

体が覚えた技術(自転車・水泳)。海馬の関与が少なく認知症でも保たれやすい

④ プライミング

先に経験した情報が後の情報に影響(先入観)。

3. 認知症とまぎらわしい症状
せん妄・うつ病・仮性認知症
項目せん妄認知症
意識意識障害(混濁)意識障害ではない(はっきり)
発症・経過急激・1日の中で変動緩やか・急激な変化はない
回復回復性(一過性)非回復性・進行する

せん妄は加齢や認知症を背景に、環境変化・感染症・脱水・薬剤などで起こる一過性の障害。安全を確保し、穏やかに声をかけて落ち着くのを待ちます。うつ病は気分の落ち込みが1〜2週間続き、認知症に似た状態(仮性認知症)を呈することも。励ましは逆効果、午前に調子が悪く午後に軽くなりやすく、自殺願望は回復期に強まるため注意します。

WORD:エピソード記憶 / 手続き記憶 / せん妄
国試で問われる用語

エピソード記憶:体験した出来事の記憶(いつ・どこで)。認知症で早期に失われる。手続き記憶:体で覚えた技術の記憶(自転車・水泳)。認知症でも保たれやすい。せん妄:意識が混濁し、急激に発症して1日の中で変動する一過性の意識障害。認知症(意識ははっきり・進行・非回復)と区別する。

試験に出るところ
本音でまとめる
理解度チェック
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Q1. 認知症で早期に障害されやすい記憶はどれ?

正解はA。認知症では、海馬が関与するエピソード記憶(体験した出来事)が早期に失われます。手続き記憶(体で覚えた技術)は海馬の関与が少なく、認知症でも比較的保たれやすいのが特徴です。

Q2. 加齢によるもの忘れと認知症の違いとして、適切なものはどれ?

正解はB。認知症は体験をまるごと忘れ、忘れた自覚がなく、進行して日常生活に支障をきたします。加齢のもの忘れは体験の一部でヒントがあれば思い出せ、自覚があり、あまり進行しません(A・Cは認知症の特徴)。

Q3. せん妄に関する記述で、認知症と区別できる特徴はどれ?

正解はB。せん妄は意識障害(意識混濁)があり、急激に発症して1日の中で症状が変動し、一過性で回復します。認知症は意識がはっきりし、緩やかに進行して回復しない点で区別できます。
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