「障害のある人や家族へのかかわり・支援の基本」の章へ。一人ひとりを見る個別支援、信頼関係の築き方、そして自立観を変えたIL運動と「自己決定の原則」を整理します。
障害のある人とどう関わるか、その土台のお話。「みんな違う」を前提にした個別支援、信頼関係づくり、そして「自分で決めること(自己決定)こそ自立」という大事な考え方を学びます。
かかわりの基本は3つ。個別支援——障害の種類や程度が同じでも、育った環境・価値観・身体能力で一人ひとり異なるので、「この人は生活のしづらさの何をどう感じているか」を個別に捉えます。信頼関係——思いを表現しにくい人も多く、インテーク(初回面接)で信頼する人と一緒に面接するなどの工夫を。一方的に与えるのでなく、ストレングス(強み)・エンパワメント(自分で決める力)を支えます。そして核心が自己決定の原則。IL運動(自立生活運動)の自立観では、自立とは「すべて自分でできること」ではなく、支援が必要でも、その支援内容を自分で決定することです。支援者は主役でなく裏方・土台として、本人の自己決定を側面から支えます。
3つだけ。①個別支援=「障害名が同じでも中身は人それぞれ」。だから一人ひとり見る。②信頼関係=いきなり質問攻めにせず、悩みや苦痛に共感して聴く。初回面接(インテーク)は信頼できる人と一緒でもOK。③自己決定=ここが一番大事。IL運動の考えでは、自立は「全部ひとりでやること」じゃない。手伝ってもらってもいい、でも"どう手伝ってもらうか"を自分で決められれば、それが自立。支援者は主役じゃなく裏方。決めるのは本人。
自立とは、生活にかかわる動作をすべて自分でおこなえること。
支援が必要であっても、その支援内容を自分で決定することが自立。
自己決定は「自立」と深く結びつく。人は「やりたい」「やってみよう」と心が動く=自己決定があって動きます。障害のある人には、自己決定の意思を表すことに困難な場面があるため、その支援が重要です。
食事・洗濯などの家事や社会参加などの生活上のニーズを生活ニーズといいます。「本人は何に困っているのか」を把握し、本人の自立を目指す視点で問題の軽減を図ります。介護職は一方的に情報やサービスを提供するのではなく、本人が生活をつくる思いの強さ(ストレングス)、問題解決能力をつけていくこと(エンパワメント)への支援を目指します。
対人支援の仕事は、裏方であったり、土台であったり、時には影のようなもの。生活の主体は支援を受ける人であり、その生活は個々の意思に基づいて営まれます。支援者は生活をリードするのではなく、生活主体者が自分の意思を知覚・認識して表明し、自己決定できるよう支えることが求められます。自己決定には責任が伴いますが、支援者はその責任に対して側面から支えることも大切です。課題や困難に直面したとき、自分で乗り越える方法を見つけられるよう支援します。
IL運動(自立生活運動):自立を「すべて自分でできること」ではなく「支援を受けても支援内容を自分で決定できること」と捉える考え方。インテーク:初回面接。信頼関係づくりの出発点で、本人の意向で家族や信頼する人と一緒に行う工夫もある。自己決定:生活主体者が自分の意思に基づいて選択・決定すること。支援者は側面から支える。エンパワメント:本人が問題解決の力をつけられるように支える支援。
Q1. IL運動(自立生活運動)における「自立」の考え方として、適切なものはどれ?
Q2. 障害のある人との信頼関係の構築として、適切なものはどれ?
Q3. 自己決定の支援における支援者の役割として、適切なものはどれ?