肢体不自由の原因、麻痺の4タイプ(単・対・四肢・片麻痺)、完全/不全・痙性/弛緩性麻痺、脊髄損傷、そして脳性麻痺(痙直型・アテトーゼ型など)を医学的に整理します。
体が動かしにくい障害をくわしく。「どこが麻痺するか」で4タイプ、「動かないか少し動くか」「ガチガチかダランか」、脳性麻痺のタイプまで学びます。
肢体不自由は上肢・下肢・体幹の永続的な運動機能障害。原因は先天的(脳性麻痺・先天性股関節脱臼など)と後天的(脳血管障害・事故・脊髄損傷など)。麻痺は、どこが麻痺するかで単麻痺・対麻痺・四肢麻痺・片麻痺の4タイプ。程度では完全麻痺/不全麻痺、緊張の状態では痙性麻痺(緊張が強い)/弛緩性麻痺(ダランとする)に分けます。脊髄損傷は損傷部位でさまざまな症状(運動・感覚・膀胱直腸・自律神経障害)が出ます。脳性麻痺は受胎から生後4週以内に生じた脳の非進行性の病変で、痙直型・アテトーゼ型・失調型などがあります。
麻痺は3つの軸で覚える。①どこ?=単麻痺(1本)・対麻痺(両足)・四肢麻痺(手足全部)・片麻痺(左右どちらかの半身)。②どれくらい?=完全麻痺(全く動かない)・不全麻痺(少し動く)。③硬い?柔らかい?=痙性麻痺(ガチガチ・突っ張る)・弛緩性麻痺(ダラン)。脊髄損傷は神経の道が切れるので、損傷より下にいろいろ出る(感覚マヒで気づかず悪化、起立性低血圧も)。脳性麻痺のキモ=「生まれる前〜生後4週まで」の脳の傷で、進行しない(非進行性)。タイプは痙直型(突っ張る)・アテトーゼ型(勝手に動く)など。
| 種類 | 状態 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 単麻痺 | 四肢のうち一肢のみが麻痺。 | 椎間板ヘルニア・頸椎症など |
| 対麻痺 | 主に両足が麻痺。多くは排泄障害を伴う。 | 胸髄以下の脊髄障害・脊髄損傷など |
| 四肢麻痺 | 両上下肢に麻痺。排泄・感覚・体温調節・心肺機能の低下を伴うことも。 | 頸髄損傷・脳性麻痺・脳幹出血・筋ジストロフィーなど |
| 片麻痺 | 右側または左側の半身に麻痺。 | 脳出血・脳梗塞などの後遺症 |
程度=完全麻痺(まったく動かない)/不全麻痺(一部動く)。緊張=痙性麻痺(緊張が強い・痙攣)/弛緩性麻痺(緊張が弱くダラン)。
脊髄は脳と身体をつなぐ中枢神経で、損傷する部位によってさまざまな症状が出現します。障害の種類は運動機能障害・感覚機能障害・膀胱直腸機能障害・自律神経障害。感覚機能が麻痺していると異変に気付かず重症化することがあるため注意が必要です。自律神経障害では起立性低血圧や、発汗による体温調節の困難が起こります。
脳性麻痺は、受胎から生後4週以内に生じた脳の非進行性の病変で、身体や手足が自由に動かせない運動・姿勢の異常をいいます。脳障害の後遺症による運動の麻痺で、知的障害やてんかんを伴うことがあります。体幹機能の障害で、身体を起こす・支える・バランスをとることが困難なこともあります。
| 麻痺の種類 | 症状 |
|---|---|
| 痙直型 | 筋肉の緊張が強く、四肢の突っ張りが強い。外部から動かそうとしても動かせないことがある。 |
| アテトーゼ型 | 自分の意思では運動を上手くコントロールできず、不随意運動が緊張した場合に強く現れる。 |
| 強直型 | 関節の動きが固くなる(関節可動域の制限を伴う)。 |
| 失調型 | 動作のバランスが悪く不安定な運動になり、歩行などにふらつきがある。 |
| 混合型 | さまざまな型が複合したもの。 |
肢体不自由のある人は、運動機能や感覚機能の低下により転倒・転落事故や褥瘡が起こりやすくなります。内部障害や知的障害を重複していることもあり、身体機能の維持のため訓練や医療的ケアが必要な人もいます。介護職は一方的に支援するのではなく、ひとりの生活者として接し、その人のもっている力を引き出し、自信をもってもらうことに目を向けます。
対麻痺:主に両足の麻痺(胸髄以下の脊髄損傷など)。四肢麻痺:両上下肢の麻痺(頸髄損傷など)。片麻痺:左右どちらかの半身の麻痺(脳出血・脳梗塞の後遺症)。脳性麻痺:受胎〜生後4週以内に生じた脳の非進行性病変による運動・姿勢の異常。痙性麻痺/弛緩性麻痺:筋緊張が強いか、弱くダランとするか。
Q1. 麻痺の種類の説明として、適切なものはどれ?
Q2. 脳性麻痺に関する記述で、適切なものはどれ?
Q3. 脊髄損傷のある人への留意点として、適切なものはどれ?