知的障害の定義(発達期=おおむね18歳まで)、判断基準(知的機能+日常生活能力)、程度の分類(IQと生活能力)、そして障害が出現する時期(胎児期・周産期・出生後)を医学的に整理します。
知的障害を医学的にくわしく。「いつまでに現れたか(18歳まで)」「IQと生活する力の両方で見る」「いつの時期に原因があるか」がポイントです。
知的障害は、わが国では「知的障害者福祉法」による定義はなく、厚生労働省の「知的障害児(者)基礎調査」で「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じている状態」と定義されます。判断は(a)知的機能の障害(知能検査=ウェクスラー・ビネーなどで知能指数おおむね70まで)と (b)日常生活能力の両方で行います。程度はⅠ(IQ20以下)〜Ⅳ(IQ51〜70)と生活能力a〜dを組み合わせて判定しますが、認定判定では日常生活能力が優先されます。知的障害はIQの低下だけでなく社会生活にかかわる「適応機能」にも障害がある状態で、発達期以降の事故・病気による知能低下は含みません。出現時期は胎児期(ダウン症候群など)・周産期・出生後に分かれます。
知的障害のポイント3つ。①いつ現れた?=発達期(だいたい18歳まで)。大人になってからの事故や病気での知能低下は「知的障害」に含まない。②何で判断?=「IQ」と「日常生活能力」の両方。しかも認定では生活する力(日常生活能力)が優先される(IQ20以下でも生活能力次第で判定が変わる)。IQの検査はウェクスラー・ビネー。③いつの時期に原因?=胎児期(ダウン症など)・周産期(出産前後・仮死出産で酸欠など)・出生後(乳幼児の感染症や頭の外傷)。あと「知的障害者福祉法には定義がない」のも引っかけで出る。
| IQ(知能検査) | 程度 |
|---|---|
| Ⅰ(IQ20以下) | 最重度知的障害 |
| Ⅱ(IQ21〜35) | 重度知的障害 |
| Ⅲ(IQ36〜50) | 中度知的障害 |
| Ⅳ(IQ51〜70) | 軽度知的障害 |
IQと日常生活能力(a〜d)を組み合わせて判定。ただし認定判定では日常生活能力が優先され、IQ20以下でも日常生活能力がdの場合は重度知的障害となります。
知的障害者福祉法による定義はなく、厚生労働省「知的障害児(者)基礎調査」で「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」と定義。判断基準は次の両方に該当すること。
遺伝子変異・染色体異常などの先天的原因(ダウン症候群など)。母体の感染症・薬物・アルコールなどの外的要因。
出産前後の事故・母体の循環障害・仮死出産による脳の酸欠・頭蓋内出血。低体重や早産で脳が未発達のうちに生まれる。
乳幼児期の感染症や頭部の外傷(脳炎など)。栄養不足・不適切な養育環境で脳の発達が遅れる。
知的障害は発達期に生じた知的機能障害で、認知能力の発達が全般的に遅れた状態。IQの低下だけでなく社会生活にかかわる「適応機能」にも障害がある状態を指します。
支援者は「知的障害を補うことだけ」を考えた支援を計画しがちですが、できないことを補うのも大切な一方、「自分で決めたい、試してみたい」という意欲や主体性を育てることにも着目します。日常生活や社会生活にどう参加できるかを考え、環境を整える支援が大切です。知的障害があるからといって全てに障害があるわけではなく、生活や状態は変化することを心にとめて支援します。
発達期:知的障害があらわれる時期=おおむね18歳まで。適応機能(日常生活能力):社会生活を営む力。認定判定で優先される。ウェクスラー・ビネー:標準化された知能検査。ダウン症候群:染色体異常による胎児期の原因。知的障害者福祉法には定義がなく、厚生労働省の基礎調査で定義される。
Q1. 知的障害の定義に関する記述で、適切なものはどれ?
Q2. 知的障害の判断・認定について、適切なものはどれ?
Q3. 知的障害が出現する時期と原因の組み合わせとして、適切なものはどれ?